レンズのキズや劣化などで研磨を必要とする場合、キズの深さ等にもよりますが完全にキズを消すまで研磨するとオリジナルの状態から外れ、性能自体を悪化させてしまいます。綺麗にするだけであればどんどん磨いてしまうことで出来ますが、撮影を目的としている場合には研磨のしずぎは良くありません。また、研磨したレンズを組み立てる場合には、程度の差こそあれ研磨したのですから精度を完全に出し直さなくてはなりません。 さて、その組み立て方ですが、沢山の測定器と時間を必要とします。通 常コリメーターでピントは出せますが、ピント精度だけでは話しになりません。とりあえず仮組みし無限でピントを合わせ、MTF(写 真1)で測定します。この時点では片ボケやコントラストの不足など、様々な問題が発生します。これを調整し、再度MTFで測定します。これを何回か繰り返していきます。ある程度数値が出たところで投影(写 真2)に入ります。ここで調べることは、やはり片ボケや解像度、RGB分けしたときのズレなどを確認します。もちろんこの時点でも調整を進めます。レンズによってはベンチコリメータ(写 真3)を使う場合もあります。これらの行程が終わり、組み立てを終わらせて、再度検査を行います。この検査に受かれば外観を清掃して終了ですが、検査に落ちればもう一度最初からの手順て組み立てを行います。